企業経営の方法

T 個人事業か、会社組織か


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  1. 会社組織の利点
  2. 会社と税金
  3. 個人事業を開始する場合



A 会社組織の利点


個人か、会社か

 会社組織にするメリットは、以下のようになります。

会社組織にするメリット
@ 信用度が高くなる 法人格を持っていた方が対外的に信用がある
A お金が借りやすくなる 個人事業主は通常国民金融公庫からしか借りれ
ないが、他の金融機関(銀行・信用金庫等)
からも融資を受けやすくなる。
B 税金対策になる 個人事業だと超過累進課税で最高税率は法人税
よりも高い。法人税の税率は2つ(22%・30%)のみ。
C 事業継承がしやすい 個人事業主は死亡すれば終わり。営業許可や融資等
の相続手続きが必要になる。
(当職は身内で大変さを実感しました。)
D 経費が認められやすい 交際費など個人事業では認められにくかった経費が
認められやすくなる。家族に給料として払った金額を
経費にできる。

 日本の社会は取引において個人よりも法人の信用の方が高くなっています。仕事の契約を結ぶ際にも会社の方がはるかに信用があります。規模の大きな会社になると、業務委託などで仕事を外に出す時は会社組織でないと相手にしてくれません。大きな会社から受注する仕事は私達の経営する会社の大きな収入源です。折からの不景気で大きな会社でも自社の外に仕事を出さなくなって久しいものがあります。仕事を取るため、取引先との信用のためにも会社組織にするべきです。

 一般的に年商が約3,000万円以上あれば、会社組織にした方が税金面で得と言われています。しかし売上がまだ少なくても、これから事業を大きくしていく等の理由があれば積極的に会社組織にした方が良いでしょう。
 
助成金を受ける場合、個人事業主でも要件を満たせば受給できるものもありますが、事業開始から法人を設立することを要件にしている助成金もあるので、この場合は会社組織等にしなくてはなりません。


利点の検討

 他方、以下に掲げる場合も会社組織にするメリットとして挙げられることも多いのですが、必ずしもそうとは言い切れない部分もあります。

果たしてメリットか?
D  個人事業は無限に責任を負う。
 会社組織は責任の範囲は限られ
 ているので社長が全財産を投げ
 うって穴埋めする必要はない。
 実際には会社のために社長個人の資産を
 担保に入れている場合がほとんど。
 というより、そうしないと金融機関は
 お金を貸してくれない。
E  社会保険に入れば事業主も厚生
 年金・健康保険に加入できる。
 実情は社会保険に入っていない会社も多数
 ありすべて加入してる訳ではない。
 厚生年金は得だが、今は国民健康保険
 でも本人は3割負担で変わらない。

 これには異論があるかとも思われますが、当職の考えを記載しています。社会保険に入っていない企業は実際には多いのです。これは厚生労働省の統計でも明らかです。法律で決まっているからや建前では実際の企業経営は成り立たないのです。

 会社組織にすると社長も厚生年金と健康保険に加入することはできます。しかし労働保険(雇用保険・労災保険)については会社組織でも個人事業でも加入することはできません。労災保険については社長(事業主)のために特別加入制度があるので、労働保険事務組合を通じて加入することができます。


会社設立を決めたら

 事業計画書を作成しましょう。会社にとって大切なことは、設立することではなく、経営を継続していくことです。事業計画書は公的融資や国民生活金融公庫からの融資を受ける際にも必要ですから、事前に作成しておけばあとで役立ちます。
 融資を受ける際の事業計画書の所定の用紙は各融資の窓口で手に入ります。
 助成金の受給計画も会社を設立する前に立てておきます。創業を支給事由とする助成金は四つあります。設立してから受給しようとしても要件を満たしていないと受給できません。設立前といっても、法務局の登記の前のことではなく、定款の認証を受けた後では遅い場合がありますから、定款を作成する前、本当にこれから会社設立に着手するゼロの段階で計画を立てておく必要があります。





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