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資本金の増額

 会社設立後、事業を順調に拡大していった場合、さらに事業を拡大させるためには資金が必要になります。その資金は信用金庫などの金融機関から借りてもよいのですが、自分の資金でぜひ実施したいものです。自分の資金で出資を行うことが「増資」です。前期までに出した利益の中から出資するのが一般的です。
 
 有限会社の増資は以下のような流れになります。(現物出資なしk場合)
 
@社員総会の特別決議  社員総数の3/4以上の議決権の多数。
 有限会社は基本的に家族、仲間内の経営なので訳ない。
 実質的な手続きは総会議事録を作成するだけ。
  ↓
A出資金の払込み  取引金融機関に。手数料は出資金額の3/1000程度
(金融機関によって異なる。)
 現物出資の場合は出資物の給付。(検査役の検査等が必要)
  ↓
B払込保管証明書の取得  金融機関が発行してくれる。。払込みの翌営業日以降。。
 実際は2〜3日はかかる。
  ↓
C増資の登記申請  本店所在地の管轄法務局に。
 登録免許税は最低3万円(出資金額の7/1000)
  ↓
D登記の完了  増資の完了。会社の登記簿を取得して資本金の額を確認する。

 増資登記申請の添付書類
  1. 社員総会の議事録
  2. 払込保管証明書
  3. 出資の引受を証する書面
  4. (現物出資の場合)弁護士の証明書等が必要

 金融機関に出資金を払込み、保管証明書を発行してもらうのは、設立のときと同じです。取引金融機関の融資担当者にあらかじめ依頼しておきます。手数料も出資金額の3/1000くらいと設立のときと同じです。金融機関によっては最低○万円と定めている場合もありますから、設立時と同じ手数料に支払うことになってしまう場合もあります。
 藤沢にある地元金融機関Yはこの一律○万円方式です。別の地元金融機関Xは出資金額の0.25%となっています。例えば100万円増資の場合は2,500円です。
 法務局へ登記申請する場合の登録免許税額は出資金額の7/1000とされていますが、最低3万円なので、有限会社の増資場合は3万円になります。


株式会社の増資

 株式会社の増資の場合、通常は新株の発行によって行います。公募によって株主を募る場合もありますが、一般的には既存の株主に一定の新株の引受権を付与する方法をとります。実際には株券を発行しないことが多いですから、新株の発行数は有限会社における出資口数と実質的には同じです。株式会社と有限会社で呼び方が異なるだけで、新たに資金を調達することに変わりありません。

 公募による新株発行は、主に上場企業などが行います。株式投資をしていると、時々証券会社の人が今度「株式会社 ○○」が新株を発行します。発行価格は○○万円です。いかかでしょうか?と購入をすすめてくれることがあります。公募だと私達一般の人から広く株式を引き受けてもらうことにより、出資を募ることができます。
 株式会社は株式の発行により資本を集めて多額の資金を調達することができるのです。この資金は工場建設や店舗増設などの設備投資などに会社の営業拡大に使います。

 株式会社の増資は取締役会で決議します。夫社長、妻専務、取締役その他の家族の場合や仲間同士の経営のことも多いですから、実質的な手続きは取締役会議事録の作成になります。取締役会で定める事項は、
  1. 株主に新株引受権を与える旨、並びに引受の目的である株式の額面
  2. 発行価格
  3. 払込み期日
@取締役会の決議   実質的な手続きは取締役会議事録を作成するだけ。
  ↓
A出資金の払込み  取引金融機関に。手数料は出資金額の3/1000程度
(金融機関によって異なる。)
 現物出資の場合は出資物の給付。(検査役の検査等が必要)
  ↓
B払込保管証明書の取得  金融機関が発行してくれる。。払込みの翌営業日以降。。
 実際は2〜3日はかかる。
  ↓
C増資の登記申請  本店所在地の管轄法務局に。
  ↓
D登記の完了  増資の完了。会社の登記簿を取得して資本金の額を確認する。

 増資登記申請の添付書類
  1. 取締役会の議事録
  2. 払込保管証明書
  3. 株式申込証又は株式の引受を証する書面
  4. (現物出資の場合)弁護士の証明書等が必要

 法務局に登記申請する際の登録免許税は出資金額の7/1000です。最低3万円です。数千万円以上の大規模な増資を行わない限り、3万円です。


現物出資

 会社設立後の現物出資は設立時よりも、その手続きが緩和されています。設立後は発起人以外の者でも現物出資をすることが可能です。又設立時の現物出資の場合は、定款にその旨を記載しなければなりませんでしたが、設立後は定款に記載がなくても現物出資をすることができます。
 裁判所が選任する検査役の調査や、それが不要の場合の弁護士等の証明についての要件は設立時と同じです。

現物出資ができる財産
(1)  動産  自動車、什器、備品等 
(2)  不動産  建物、土地等
(3)  有価証券  株券、債券等
(4)  その他  その他

 一般的な現物出資は社長さんが設立後に自分の自動車、土地、建物、備品、什器などを提供するケースです。
 現物出資をする財産は、代表取締役(有限会社は社員)に引渡します。この時に「財産引継書」を作成します。


検査役の調査

 要件は設立時と同じです。やはり現物出資をする場合、モノを価格に換算して資本金に組み入れるのですから、本当に現物出資されるモノがその価格なのかを判断する必要があります。原則として裁判所から任命された検査役の調査を受ける必要があります。しかし以下の場合、検査役の調査を行わずに会社の取締役・監査役の調査でよいとされています。

検査役の調査が不要なケース
(1)  現物出資の額が資本金の1/5以内、かつ500万円以内。
(2)  上場企業の有価証券で評価額が相場以下。
(3)  不動産で不動産鑑定士の鑑定評価に基づく弁護士の証明がある。

 資本金1,000万円の株式会社の場合現物出資が200万円までならば、検査役の調査は不要です。
 弁護士の証明ですが報酬は安くはありません。十万円単位になります。





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