企業経営サポートセンター > 資金調達部 > 不動産担保の利用 > 根抵当権と抵当権
不動産を担保に入れて金融機関から融資を受ける方法です。融資を受ける際には担保に入れる不動産に抵当権又は根抵当権を設定します。創業間もない会社の場合は資産も少なく担保に入れる不動産も持っていませんから、社長個人の名義の不動産を担保に入れるのが普通です。これが個人保証です。 会社設立のメリットとして有限責任が挙げられます。万が一会社の経営が立ち行かなくなったときに、社長個人は出資した資金の範囲で責任を負えばよい。会社の負債全部について返済の責任を負わない制度です。社長個人と会社は別人格なのです。 ところが社長個人の不動産を担保に入れて個人保証をしてしまうと、この責任の所在があいまいになってしまうことがあります。会社に万が一のことがあった場合、社長個人名義の不動産を失ってしまうことにもなりかねません。個人保証は慎重に実施するべきです。 確認会社(1円会社)の場合は資本金が通常よりも少ないですから、設立当初から金融機関から融資を受けることはかなり難しいです。運転資金は社長・役員からの借入金でまかなうことになります。社長・役員が個人名義の不動産を持っていれば担保に入れることも考えてみるのも一つの方法です。 しかし不動産を担保に提供すれば必ず融資をしてくれる訳ではありません。会社の収益見通しや事業計画、経営内容などを総合的に判断して融資をするか決定します。 まずは設立間もない会社や個人事業が融資を受けやすい国民金融生活公庫や信用金庫に相談してみましょう。
一定の金額の範囲で何回も融資を受けることができます。不動産を担保に入れ金融機関から融資を受ける際際に、お金を借りることができる金額の範囲を定めます。この金額の範囲を極度額といいます。根抵当権は継続して取引をするのに便利なので企業の取引によく利用されます。 根抵当権でお金を借りれるのは元本確定前に限られます。元本が確定するとこれ以降新たにお金を借りれなくなります。根抵当権が凍結されてお金を引き出せなくなる(融資を受けられなくなる。)、と考えればよいでしょう。後は借りたお金と金利を返済していくことになります。 極度額は融資を受けることができる合計額の上限なので、1,000万円の極度額を設定していても実際には1,000万円借りているかは分りません。最初に200万円の融資を受け、次に必要に応じて300万円の融資を受けることが可能です。融資を受ける際にはその都度金融機関と契約書を交わすのが一般的です。 さらに根抵当権の設定に際しては債権の範囲を定める必要があります。継続して取引をする債権の種類です。金融機関からの融資を受ける場合の債権の範囲には以下のようなものがあります。
債権者(お金を貸している側)は根抵当権者、担保に入っている不動産の所有者は根抵当権設定者といいます。区別がつきにくいのですが、以下のように整理してみました。
住宅ローンを組むときに使うのが抵当権の代表的な例です。土地付き一戸建てを新築した際にそれを担保に入れて抵当権を設定します。抵当権を設定したといっても、質に入れるのとは違い担保に入れた不動産は所有者が自由に使い、居住することができます。ただし返済が滞り差押えて競売にかけられたときは使うことはできなくなります。 抵当権は設定したら融資を受けれるのは1回限りです。新たにお金を借りるときには、同じ不動産に別の抵当権を設定しなくてはなりません。この点が難点で根抵当権と異なり企業が継続して取引をして融資を受けるのには不便です。ただし土地を取得して工場を建設したときなど設備資金の担保に設定することがあります。 同じ不動産に別々に複数つけた抵当権は「一番抵当権」「二番抵当権」「○番抵当権」と呼びます。差し押さえられて競売になったときはこの順番に従って競売代金が配当されます。 債務者(お金を借りた側)がお金を返さない場合は債権者(お金を貸した側)が抵当権を設定した不動産の競売を裁判所に申立て、競売によって売却しその代金のうちから他の者より優先して配当を受けることができます。 抵当権が設定されていてもその不動産を売却することは可能です。 債権者(お金を貸している側)は抵当権者、抵当に入っている不動産の所有者は抵当権設定者といいます。区別が分りにくいのですが、以下のようにまとめてみました。
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