D出資金の払込み


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どこの金融機関に払込むか

 出資金の払込みは、どの金融機関でも引き受けてくれるとは限りません。いきなり銀行に行ってもまず無理です。今まで取引のある金融機関の担当者に、会社を設立するので出資金の払込みを引き受けて、払込金保管証明書を発行して欲しい旨をあらかじめ依頼しておくとよいでしょう。
 カウンター窓口の人に聞いても分らないので、電話で融資の担当者に聞きます。個人事業をしていて、すでに取引があり融資担当者と面識があれば事前に打診します。もしどこの金融機関とも取引がないのであれば、発起人の個人名で口座のある金融機関に依頼すれば良いです。払込み金融機関は
銀行、信用金庫、農協などです。
 払込みをして、払込保管証明書を発行してもらうには所定の手数料がかかります。一般的に
資本金の0.3%の金額です。資本金1,000万円の場合、手数料は30,000円でこれに消費税を加算して計31,500かかります。(税込み31,500円です。今年<平成16年=2004年>の4月より総額表示が実施されたのでこれに従います!)
 手数料も金融機関によって全く異なるので一概には言えません。一般に規模の大きい金融機関は手数料は高く、小さい金融機関は低い傾向があります。いざ融資を受ける段階になると審査は大きい方が厳しいので、会社の
経営規模にあった取引金融機関を見つけたいものです。応対はどうかというと手数料の価格と同じく、金融機関によっても異なるので一概には言えません。

金融機関比較表
比 較 項 目  手 数 料  融資審査  応  対
 大きい金融機関(例 地域の一番手行)  高 め  厳しめ  金融機関による
 小さい金融機関(例 地元密着の金庫)  低 め  緩くなる  金融機関による


 藤沢の金融機関の手数料の例は以下のようになります。金融機関の数はある程度限られていますから、特定できないように無作為の記号を金融機関名に付してします。

金融機関手数料
 金融機関X  最低5万円又は資本金額の0.3%
 (有限会社の場合も同じ)
資本金1,000万円の場合
5万円
 金融機関Y  最低5万円又は資本金額の0.3%
 (有限会社の場合も同じ)
資本金1,000万円の場合
5万円
 金融機関Z  一律資本金額の0.25% 資本金1,000万円の場合
2万5千円


 出資金の払込みで注意する点はお金をなくさないことです。株式会社の場合最低でも1,000万円の払込みが必要ですから、現金を持ち歩くのは絶対に避けます。一番確実な方法は振替です。元々払込みをする金融機関に口座は持っているのですから、残高が資本金額以上あれば可です。
 払込む際には、新たに会社との取引が始まるのですから金融機関側もそれなりの人(主に融資管轄の人)がでてきます。「株式申込事務取扱委託書」を提出します。この委託書には発行株式数、払込金額の総額等の必要事項を記入して印鑑証明書に登録してある実印を押印して印鑑証明書を添付します。発起人が複数いる場合は発起人全員の押印と印鑑証明書が必要です。ここで、あらかじめ用意した印鑑証明書4通の内、1通を使用します。
 「株式申込事務取扱委託書」の書式は金融機関によって異なります。用紙がない場合は自分で作成しても構いません。
 
 
払込保管証明書を取得する

 出資金の払込みをして「株式申込取扱事務委託書」(印鑑証明書を添付)の提出後金融機関は確かに株式の発行に必要な出資金の払込みをうけました、と「払込保管証明書」を発行してくれます。
 「払込保管証明書」の発行は、出資金の払込みがあった日の翌営業日以降になります。ただし翌営業日に発行してもらえることはあまりありません。2〜3日は余裕をみた方が良いでししょう。
 金曜日に払込んだ場合は、翌週の月曜日以降になるので気をつけて下さい。特に土日を挟んだ3連休の場合は要注意です。最近は祝日法の改正で、成人の日、海の日、体育の日が月曜日の祝日になっているので、年に数回は3連休があります。これらの日にぶつからないようにしましょう。下手をすると1週間後になってしまいます。
 「払込保管証明書」は会社設立登記申請の際に定款の謄本などと共に法務局に提出します。
 
 払込んだお金は、諸手続きを経て会社設立登記が完了するまで
引き出し出来ません。ここが払込みに関する一番のポイントです。引き出しが出来ない期間は2〜3週間くらいです。
 会社設立登記にかかる期間はは法務局によっても又同じ法務局でも登記の混み具合によっても異なります。都内など忙しい法務局では10日から2週間程度かかります 神奈川県では横浜地方法務局(本局)の場合、時期によって異なりますが10日くらいかかります。藤沢の法務局は10日くらいです。
 この登記にかかる期間は引き出しができませんから、この期間の長短によって引き出しの制限期間が、かなり左右されます。社長のあなた様にとっては少しでも多くの運転資金が必要なのに、2〜3週間も1,000万円を動かせないのは、大変な痛手だと思います。登記が完了して商業登記簿がとれたら、真っ先に登記簿を持って金融機関に駆け込んで下さい!払込金を下ろすことができます。


      

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