V 社会保険の加入


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社会保険の負担率

 社会保険は厚生年金と健康保険にセットで入ることになります。法人であれば社会保険に加入する義務があります。有限会社、株式会社を設立すれば自動的に社会保険に加入する義務が発生します。しかし社会保険料の負担があまりにも重いため実際には加入していない企業も多く存在します。
 個人企業企業の場合は5人未満ならば適用対象外です。5人以上であっても飲食店やサービス業は適用対象外です。

厚生年金の負担
標準報酬月額の 13.58% 労使で折半した額を負担する。
 ボーナス(賞与)にもかかります。毎月の給与額に掛けて計算
するのは面倒なので、仮定的な金額(標準報酬月額)に給与額を当てはめて計算
をします。給与額に変動がない限り1年間の負担額は同じです。
健康保険の負担(政府管掌健保の場合)
標準報酬月額の 8.2% 介護保険に該当しないとき 労使で折半した額を負担する。
9.09% 介護保険に該当するとき
介護保険の対象者は40歳以上65歳未満です。健康保険もボーナス(賞与)から天引きされます。

 ボーナス(賞与)の場合、その支給額から1,000円未満の金額を切り捨てた額(標準賞与額)に厚生年金と健康保険の保険料率をそれぞれ掛けて金額を計算します。

 標準賞与額=賞与(ボーナス)−1,000円未満の端数

 標準賞与額×13.58%=厚生年金保険料額(労使で折半)

 厚生年金では150万円、健康保険では200万円を上限として計算します。ボーナスが250万円の人でも保険料の計算では厚生年金は150万円、健康保険は200万円貰っていると見なして計算します。

 厚生年金にプラスして厚生年金基金に加入している場合は負担する保険料の額は違ってきます。
 設立したばかりの会社は政府管掌健康保険(以下、政管健保)に加入するのが一般的です。政管健保は社会保険事務所が取り扱います。保険証はカード式で扶養家族にも1枚づつ発行されます。保険者(健康保険の取扱元)は社会保険事務所名が記載されています。
 規模の大きい企業やその関連会社の場合は企業(グループ)が設立する健康保険組合が保険者になります。最大規模の健康保険組合はNTTやトヨタ、松下、三菱などです。同業者組合で健康保険組合を設立している場合もあります。(建設業、運輸業、コンピュータ産業など)健康保険組合に加入している場合は組合によって負担する保険料が異なってきます。


負担額の比較

 社会保険料の負担は労働保険料の何倍にもなります。

保険の種別 保険の内容 保険料率 事業主負担率
労働保険料率 労災保険+雇用保険 賃金の2.25% 1.55%
社会保険料率 厚生年金+健康保険 標準報酬の21.78% 10.89%
労働保険については一般の事業の場合で建設業、農林水産業等の場合を除く。
社会保険については厚生年金基金に加入しておらず、
政管健保に加入し介護保険の適用対象外の場合。

 単純に比較は出来ません。労働保険の賃金総額には社長の分は含まれませんが、社会保険の事業主負担は会社が社長本人の分も負担するからです。
 しかし一応の目安にはなります。社長給料の分を除いて従業員3人の人件費が年間1,200万円とすると
  • 労働保険料の事業主負担額・・・18万6千円
  • 社会保険料の事業主負担額・・・130万6千800円
 厳密に計算すると金額は違ってくるのですが、大体の額は計算できます。その負担額の差は一目瞭然です。会社を設立するとこの負担は義務として課せられるので、事前の十分な計画が必要です。

 でも未加入も多数存在するのが現実なのですけど。


新規加入手続き

 社会保険の新規加入手続きは社会保険事務所で行います。
 社会保険事務所では毎日新規の加入手続きを受付ているとは限りません。曜日も毎週火・木、時間も午前中だけ等と限られています。

提出書類
新規適用届 会社の概要。賃金の締日、支払日、等を記入。
新規適用事業所現況届 役員の氏名・住所、支店、営業所、会社が保有する
不動産について記入。
取引金融機関、取引先とその取引内容、会社の車両や
什器備品等についても記入
(滞納の際の差し押さえのため)
被保険者資格取得届 社長以下全員について書く。
年金手帳も必要。過去の年金手帳がある場合は
すべてのもの。
被扶養者(異動)届 扶養家族がいる場合。妻以外の16歳以上の
扶養親族は証明書類が必要。
登記簿謄本 3ヶ月以内のもの
保険料負担一覧表 被保険者ごとに標準報酬月額と保険料額等を
計算したもの
その他 不動産が会社所有の場合は、当該不動産の登記簿謄本
(3ヶ月以内のもの)
事務所を借りている場合は、賃貸借契約書のコピーなど

 提出書類以外に、社会保険事務所に持参する資料も必要てす。

持参書類
出勤簿 又はタイムカード
労働者名簿 労働者全員のもの。パート、アルバイトも含む。
採用年月日及び履歴を記入したもの。
賃金台帳 給与支払実態のわかるもの
源泉所得税の領収書 納付がまだの場合は法人設立届、給与支払事務所開設届、
納期の特例の承認に関する申出書の写しを添付。
就業規則、給与規定など -

 労働保険に比べて手続きは面倒です。新規に適用されて2週間ほどすると健康保険の被保険者証(保険証)が送られてきます。健康保険の場合、実際に保険証が手許にくるまでに病院に行く必要があるときはないと困ります。特に老人や子供を扶養している従業員の家庭にとっては困りますが、診療の際は全額支払って後日申請して健康保険の支給分を請求することができます。




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