企業経営サポートセンター > 会社設立サポート部 > 一般の会社設立 > 有限会社設立 > A定款
定款(ていかん)は会社における「基本法」です。会社の商号(名前)、資本金、所在地、決算期など基本事項を定めたものです。 「款」という字は私達が生活する上では滅多にお目にかかれない漢字です。もし使うことがあるとすれば、生命保険や自動車保険を掛けるときの「約款」くらいでしょう。この保険の約款も細かくたくさんのことが書いてあるので普通は読みません。 あとで事故が起きたときに保険会社から「約款にこの場合は当社は免責です、と書いてありますよ・・」と指摘されて慌てて読み返すくらいでしょう。 有限会社に限らず株式会社やNPO法人を設立する際にも定款は必要です。これから会社を運営していく上で定款とは切っても切れない関係が続きます。 「定款は会社の憲法」と言う場合があります。これは必ずしも当っている表現とは言い難いです。会社にはもう一つ「会社の憲法」と呼ばれる決まりがあるからです。それは「就業規則」です。 就業規則は定款と異なりすべての会社に存在するものではありません。就業規則の作成が義務付けられている会社は「常時10人以上」が勤務する会社です。この常時10人以上には短時間のパート、アルバイトも含まれます。 就業規則サポート部で就業規則の説明をしています。設立時には就業規則は必ずしも必要ありませんが、助成金を受給したい場合や会社を大きくする際に必要になってきます。 就業規則も「会社の憲法」と呼ばれることがあります。これでは会社の憲法が2つ存在することになってしまいます。就業規則も会社の憲法と呼ぶには必ずしも適していません。そこで当サイトでは「憲法」という仰々しい言葉は使わずに、定款は会社の「基本法」として説明をしていきます。
定款の書式、書き方はだいたい決まっています。 B4の用紙をふたつ折りにして、1ページB5サイズの大きさにします。(B5用紙の大きさに切ってはいけません。)これに横書きで記入します。数字はアラビア数字を使用します。コピー用紙にワープロ・パソコン等で打っても、手書きでも構いません。日本法令から定款の書式が市販されていいます。文具店の法令様式コーナーに置いてあります。これを利用して、手書きで記入してもワープロ・パソコン等で打ち込んでも良いでしょう。 定款は3部作成します。原本をコピーするのが一般的です。 定款の内容は複数ページになりますから、ページとページの間には発起人の実印(印鑑証明書に登録されている印)を割印として押します。(発起人が複数いる場合は全員が割印を押します。)定款の最後のページには発起人名を記名するので、ここにも発起人全員の実印(印鑑証明書に登録されている印)を押します。 定款3部全てに同様に押印します。原本のみに押印して、それをコピーするのはダメです。コピーしたものは印鑑が黒くなってしまいます。十分注意して下さい。 定款へ記載する事項は以下のようになります。
定款は会社を設立する際に社長となるあなた様自身で作成するのがよいでしょう。誰かに頼む場合、会社定款作成の代理業務ができるのは、弁護士と行政書士に限られています。
公証役場に行き公証人より定款の認証を受けます。公証人に支払う認証の手数料は5万円、定款に貼付ける印紙代は4万円です。(3部作成した定款のうちの1部に4万円分の印紙を貼ります。) 公証人と公証役場についてはこちら あらかじめ、公証役場に電話で予約を入れておいた方が良いでしょう。いきなり公証役場に行っても公証人の都合で受けてもらえない事があります。事前にFAXで送っておいて見てもらう方法もあります。 公証役場へ行き、作成した定款3部すべてを公証人に提出します。定款の認証にかかる時間は20〜30分あれば十分です。公証人が定款を読み、誤字があれば「○字加入、○字削除」のように訂正してくれます。定款の内容が法的に問題等がなければ、認証は完了です。公証人が定款を認証した旨の証明書を最後のページに付けてくれます。 印紙を貼付けした定款は公証役場で保管します。残りの2部を返してくれます。2部のうち、1部に「原本」、もう1部に「謄本」と表紙に朱印を押してくれます。「原本」は「原始定款」とも呼ばれ会社で保管します。「謄本」は会社設立登記の申請時に法務局に提出します。
定款の認証は、会社本店所在地を管轄する法務局又は地方法務局に所属する公証役場において受けます。法務局(地方法務局)は北海道を除いて各都府県に1個ありますから、基本的に同じ都府県の公証役場ならばどこでも可です。 例えば横浜市西区に本店を置く会社の場合、横浜地方法務局管内(神奈川県内)の公証役場ならばどこで認証を受けても良いのです。横浜市中区にある、みなとみらい公証役場でも、藤沢市にある藤沢公証役場でも可です。 東京都千代田区に本店を置く会社の場合、東京法務局管内、つまり都内の公証役場ならば、銀座でも麹町でも町田でも可です。 定款が認証されても登記の段階で類似商号、目的の適格性でひっかかれば登記が受付けられない可能性があります。公証人は類似商号のことまでは分りませんから定款を作成する段階での類似商号の調査をしっかりする必要があります。 |
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