第4章 服務規律


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 企業・職場で働いていく上での基本的な事項を定めます。服務規律は勤務をしていく上での規律と、職場の秩序を守るための規律に大きく分けることが出来ます。いわゆるセクハラ防止に関する規定を入れることも必須です。
 最近話題になっている「週末起業」いわゆる「副業」の可否についても定めます。「セクハラ」「副業」などと規律の内容はまさに時代を写す鏡と言えます。


第4章 服務規律

第25条(
誠実義務

 社員は所属長の指示命令を誠実に守り、互いに協力して職責を遂行するとともに
職場の秩序の維持に努めなくてはならない。
2 所属長は部下の指導に努めるとともに率先して職務の遂行に当たらなければならない。
 職場のルールの理念とそれを誠実に守る規定を入れます。


第26条(出社・退社

 社員は始業時間までに出社しなければならない。
2 社員は始業・終業時に自分でタイムカードを打刻しなければならない。
3 勤務が定時に終了しない場合は第○条○項の規定による。
出社・退社に関する基本的な事項を定めます。タイムカードがある会社はその打刻方法について(他人に頼んで打刻するケースも多々あります。)、出勤簿に記入している会社はその確認の押印の方法についても定めます。


第27条(入場禁止

 社員が次の各号に該当するときは職場への入場禁止、又は退場をさせることがある。
(1)他人を教唆、煽動し職場の秩序を乱す者、又は乱すおそれがある者。
(2)衛生上就業を禁止すべき者
(3)酒気を帯びた者
(4)火器、凶器又は業務上必要のない危険物を携帯する者。
(5)その他業務を妨害し又は作業効率を低下させる者、又はそのおそれのある者
 なかにはありえないような事も書いてありますが、職場の秩序維持のためには必要です。よくあるケースは衛生上就業させない場合が良い者や、酒気を帯びた者が挙げられます。
 (正月の仕事始めの日に酒を飲んでいる人の扱いはどうなるのでしょう?)(笑)(退場はさせられませんでしたが、後日降格転勤となりました。)


第28条(遅刻、早退、私用外出

 会社の業務に関する事由以外で遅刻、早退、私用外出をして就業を行わない場合は
あらかじめ所属長の許可を得なければならない。
2 やむをえない理由により遅刻をしたときは速やかに所属長の届出をしてその指示を
受けるものとする。
 遅刻の理由は電車などの交通機関の遅れや寝坊、天候によるものなど、「やむをえない」場合がほとんどですから、そのときの規定を入れておきます。


第29条(欠勤

 傷病その他やむをえない理由により欠勤するときは、その理由と日数を事前に指定の書面にて
所属長に届け出る。
但しやむをえない理由によりあらかじめ提出できないときは事後に所属長に届出をする。
2 届出がない場合は無断欠勤として扱う。
3 傷病による欠勤が5日以上に及ぶときは第1項の届出の他に医師の診断書を提出しなれば
ならない。
 欠勤の届出は欠勤日の前日の就業時刻までに提出する等の具体的な規定を入れてもよいでしょう。傷病で1週間以上欠勤する場合は医師の診断書を提出させます。正当な理由の無い欠勤は無断欠勤とします。

第30条(業務外用務

 就業時間内は社用以外の用務をしてはならない。
但しやむをえない理由で所属長の許可を得たときはこの限りではない。用務の範囲、時間等の
詳細については所属長の指示に従うものとする。 

第31条(私用面会

 就業時間内に私用面会をしてはならない。但し所属長の許可を得たときは私用面会を
行うことが出来る。この場合の面会場所・時間等については所属長が定める。

第32条(業務の引継ぎ

欠勤、外出、早退、その他自己の不在により業務に支障をきたすおそれの
あるときは、業務の引き継ぎその他適切な措置をとらなくてはならない。
 社員が不在になる場合の業務の処置について定めます。この規定は重要です。人間は自分の都合で仕事を抜ける場合は後のことは誰かがやってくれるだろうと、タカをくくって放置しがちです。社長から見ればトンデモナイ話なのですが、業務が滞って会社に損害を与えては何にもなりません。しっかりとして決まりを定めておきます。


第33条(公民権の行使、公の職務の執行

 次の各号によりやむをえず欠勤、外出、遅刻、早退をする場合において
会社が承認したときは出勤をしたと扱う。
(1)選挙権その他公民権の行使をし、又は公の職務を執行する場合。
但し公職選挙法により公職につく場合又は立候補する場合はあらかじめ文書で
会社に届出をしなくてはならない。
(2)証人、鑑定人、参考人として裁判所に出頭したとき。但し私事に関する事項の
ときはこの限りではない。
 
 選挙に行く権利は保障しなくてはなりません。但し社員個人の民事裁判には適用されません。社員が公の職務を執行するケースとして検察審査会の委員として選任された場合が考えられます。数年後には裁判員制度も始まりますので、この規定に該当するケースは更に増えると思われます。

第34条(業務上の傷病、天災、その他の取扱い)
 
 業務上の傷病により療養する場合又は、天災地変などによる交通機関の
遅れよりやむをえず欠勤、外出、遅刻、早退をする場合において会社が承認
したときは出勤をしたと扱う。
2 その他やむをえない事由と会社が認める場合は前項と同様の扱いとする。
 本当にやむをえない場合の救済規定です。

第35条(禁止行為

 社員は会社の施設において又は就業時間中において以下の行為を行ってはならない。
(1)特定政党のための政治活動
(2)宗教活動
(3)賭け事
(4)私利を目的とする金銭の貸借、物品の貸借及び売買
(5)寄付の教養
(6)その他の各前号に準ずる行為
 職場の秩序維持に必要な禁止事項を定めます。ここから以下の各条は職場の秩序維持のために規律について定めています。

第36条(セクシャルハラスメントの禁止

 社員は職務中他の社員の業務に支障を与えるような性的関心を示したり、
性的な行為をけしかけてはならない。
2 社員は職責を利用して交際を強要したり、性的行為を強要してはならない。
 セクシャルハラスメント(セクハラ)の防止は社会全体の課題です。会社の内部でセクハラ絶対に起きてはなりません。独立した条文に明記するのは必須と言えます。仕事中にひわいな話をして相手を不快にさせることもセクハラに当ります。

第37条(兼職規定

 会社に在職のまま他の営利を目的とする企業、団体に勤務する場合又は
営利を目的とする事業を営む場合はあらかじめ所属長を通じて社長に申請を
して許可を得なくてはならない。
2 社員が会社の業務に属する事項について著作や講演を行う場合、又は特許
その他の出願をする場合は前項の規定を準用する。
 いま流行の「週末起業」、いわゆる「副業」に関する規定です。副業が出来るか否かはこの規定にかかっています。一般的には社員が雇用形態を問わず他の所で社員、アルバイト、パートとして働く場合には一定の規制をします。


第38条(金品収受の禁止

社員はその職責に関し会社と取引をなす者より金品の贈与、饗応などの便宜を受けてはならない。
 わいろの禁止についてです。公務員ではありませんから、厳禁という訳にはいきません。接待は営業の基本です!むしろこっちが饗応を受けてみたいくらいです。

 その他服務規律については、会社施設の業務外の使用や集会について、会社の機器、備品等を破損した場合の届出などについて、が挙げられます。会社の実情に即し必要に応じて作成します。



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