V 合資・合名会社とNPO法人


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合資会社、合名会社

 株式会社と有限会社は物的会社、これに対し合資会社と合名会社は人的会社と呼ばれます。物的会社は資本金という、お金に信用を置いて成立しています。人的会社は会社を構成する人に信用を置いて成立しています。
 物的会社(株式・有限)の資本金は経済社会に対する担保といえます。資本金という担保を積むことにより会社として存在が許されています。一方、人的会社(合資・合名)には資本金という担保が必要ありません。資本金がゼロでも設立することが可能です。人的会社には人が集まって行う事業に対して法人格が与えられています。
 会社としての性質が全く異なりますから、物的会社(株式・有限)と人的会社(合資・合名)の間では組織の変更はできません。例えば株式会社から合資会社への変更はできません。その逆のパターンも同様にできません。ただし確認会社(1円会社)の場合は可能です。
 詳しくは確認会社(1円会社)の組織変更へどうぞ。
 
 人的会社(合資・合名)の特色として「無限責任」が知られています。会社の負債はすべて負担しなければならない、という意味です。合資会社と合名会社では責任の範囲が異なります。

合資会社と合名会社の比較
- 責任の範囲 全国の設立数
合資会社 無限責任社員1名以上と
有限責任社員1名以上で構成
約70,000社
合名会社 無限責任社員2名以上で構成 約16,000社

 社員とは会社の役員のことです。社員のトップは代表社員です(社長のこと)。社員は株式会社、有限会社における取締役に相当します。代表社員は代表取締役のことです。混同しやすいですが、会社の従業員のことではありません。
 無限責任社員は会社の借金をすべて負担する義務があります。有限責任社員はその責任の範囲内で借金を負担する義務を負います。

株式会社・有限会社に比べて合資会社は数は圧倒的に少ないのですが、街を歩いていると時折その看板を見かけることがあります。
 藤沢市の例でみてみると、当事務所の近くに旧東海道(現在は県道)が通っているのですが、この付近を歩いてみると数軒の合資会社があります。工務店、酒店、菓子製造店 などです。東海道線の電車に乗っていると横浜〜平塚の沿線でも車窓から材木店、工務店などの合資会社の看板を見ることができます。合名会社は残念ながら当職が藤沢市近辺で知る限り、その看板は見かけたことはありませんが、酒造会社や工務店などに見られるようです。
 合資会社、合名会社共に古くから商売を行っている家族的経営の会社に多く見られる形態です。


NPO法人

 NPO法人という新しい法人の形態もあります。正式名称は特定非営利活動法人です。平成10年12月からスタートしました。まだ5年ほどしかたっていません。(平成16年<2004年>現在)
 NPO法人は営利を目的とする「会社」ではありません。法律で定められた一定の種類の(特定)ボランティア活動(非営利活動)を行うことを目的とする法人です。
 明治30年代にできた商法に規定がある合資会社、合名会社と単純に比較はできませんが、「人」に信用を置いて成立している点では共通しています。NPO法人の設立の際にも資本金、設立準備金は必要ありません。
 
 NPO法人は全国に約17,000あります。日に日にその数は増加しています。神奈川県には約1600法人余りあります。横浜市に本拠を置く法人が一番多く約400法人余りあります。藤沢市には約60法人あります。市ごとの設立数では川崎市に次いで県内第3位です。
 NPO法人はNPO活動に支障のない範囲で収益事業を行うことができます。収益事業の利益は会社のように配当することは禁じられていますが、NPO活動の資金に繰り入れることが可能です。
 先日、国際交流のNPO法人が経営するリサイクルショップがセールのチラシを新聞に折り込んでいました。そのチラシを見て買物に行ってきました。小さなお店なのですが、チラシの効果で普段より賑わっていました。このNPO法人はリサイクルショップの売上を国際交流活動の資金に充てているのだそうです。

 営利企業とは異なりますが、新しい法人の形態としてNPO法人について知っておくこともよいのではないでしょうか。





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